幼稚園・保育園の入園、小学校・中学校・高校・大学の入学、就職など、ライフスタイルが変わる時に、治療方法が再検討されます。そのため、ライフスタイルが変わる際は医師にご相談ください。
乳児
血友病と診断後、病院で原則注射を受けます。バイスペシフィック抗体を使用する場合は、医師や看護師から注射方法について十分な指導と訓練を受けて、ご家族による皮下注射が開始されます。
※第Ⅷ因子製剤の場合は静脈の確保が難しいため、病院で原則注射を受けます。
ポイント乳児は目まぐるしく体重が変化するため、頻繁に注射量の見直しが行われます。
幼児(保育園/幼稚園)
幼児になると家庭での第Ⅷ因子製剤の注射が中心になります。
第Ⅷ因子製剤を使用する場合は、医師や看護師から注射方法について、十分な指導と訓練を受けて、ご家族による静脈注射が開始されます。
ポイント必要な注射量は、体重や活動量により異なるため、成長やライフスタイルの変化に合わせて、見直しを行うことが必要です。
幼児で起こしやすい出血はこちらを参照してください。
※幼稚園や保育園で出血する場合があるので、対応について先生にあらかじめ伝えておくことが重要です。
学童(小学校)
小学校低学年まではご家族の方が注射をしますが、高学年(10歳頃)から自分自身で注射をすることが多くなってきます。
ポイント小学校に入学するとアクティブな活動が増えてくるので、治療法の見直しが行われます。学童で起こしやすい出血はこちらを参照してください。
※学校などで出血する場合があるので、対応について先生にあらかじめ伝えておくことが重要です。
思春期(中学・高校)
ほとんどの方は自分自身で注射をします。
ポイント中学校や高校に入学して、部活や学校行事でさらに活動量が増加する場合は、治療法の見直しが必要になります。
また、高校生になる頃から、生活が忙しくなったり、出血の経験がないため注射を忘れてしまうことがあります。出血がなくても、血友病性関節症を予防する上で定期的に注射することが重要です。
定期的に治療薬を注射する習慣をつけましょう。
青年~(大学/社会人/老後)
ほとんどの方は自分自身で注射をします。
ポイント大学、社会人、老後とさまざまな環境変化によって、治療法の見直しが行われます。大学生活や社会人になっても思春期と同様にサークル活動や仕事などが忙しくて、定期的に注射することを忘れてしまったりすることがあります。
青年期以降では、関節症にならないように整形外科の先生に関節の定期的な検査などのフォローをしてもらうことが必要となります。
また、高齢になると自己注射が難しくなる場合があり、その時はご家族や訪問看護の協力が必要になります。
運動について
血友病の方は、以前は運動に制限がありましたが、現在は新しい治療法や画期的な治療薬により、運動もできるようになっています。
血友病でも定期的に運動をすることはとても大切で、適度に身体を動かし筋肉を強くすることは、関節の負担を軽減し関節内出血の頻度を減らすことに繋がります。
スポーツの中では、特に出血リスクが少ない水泳やゴルフなどが推奨されています。