血友病とは
血友病は血を止めるための血液凝固因子が不足しているため、
出血した時に血が止まりにくくなる疾患です。出血は、いろいろな部位で起こります。
代表的な出血として、関節内出血や筋肉内出血などがあります。出血することで、腫れや痛みが出る場合があります。
出血する部位によっては命に関わることもあります。
血友病の種類
血友病は、血友病Aと血友病Bの2種類があります。
血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子、血友病Bでは血液凝固第Ⅸ因子が不足しています。
血友病の人数と頻度
血友病の人数
日本では6,738人が血友病と報告されています。その内訳は血友病Aが5,533人、血友病Bが1,205人となっています(令和2年5月31日時点)。
血友病の発症頻度は1万人に1〜2人と考えられており、年間50〜60人が血友病を発症するといわれています。
血友病はほとんどが男性でみられます。
血友病の重症度分類
血友病の方は、血液凝固第Ⅷ(Ⅸ)因子がどの程度あるかを示す「血液凝固因子活性」が40%未満になります。血液凝固因子活性と重症度は相関し、その活性の程度によって、軽症、中等症、重症に分類されます。
重症度 | 血液凝固 第Ⅷ(Ⅸ) 因子 活性値 |
特徴 |
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軽症 | 5%以上 40%未満 |
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中等症 | 1%以上 5%未満 |
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重症 | 1%未満 |
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参考)世界血友病連盟「血友病について知ろう」
出血が止まる仕組み
血管に傷ができて出血が起こると、「血小板」、「血液凝固因子」などが連携して、フィブリンを形成して血が止まります。
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出血
血管に傷ができると出血が起こります。
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一次止血(血小板の粘着・凝集)
血液中の「血小板」が傷口に集まり、塊ができます。この塊が傷口に栓をすることで血を止めます。これを一次止血といい、血栓として強度が弱く、簡単にはがれてしまいます。
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二次止血(血液凝固反応)
次に血液中の「血液凝固因子」がはたらき、フィブリンという物質が作られます。フィブリンは血小板の塊をより強固なものにして、血を止めます。これを二次止血といいます。
血液凝固因子のはたらきについて~フィブリンができるまで~
二次止血ではたらく「血液凝固因子」は第Ⅷ因子や第Ⅸ因子など10種類以上あり、これらの血液凝固因子が次々に反応して、トロンビンが作られ、フィブリンが形成されます。
血友病の場合
血友病では、血液凝固第Ⅷ(Ⅸ)因子が不足しており、止血に必要なトロンビンが不足するため、フィブリンが作られず、なかなか血が止まりません。
そのため、血友病の治療では、血を止める仕組みをはたらかせることが重要になります。